2012年7月27日金曜日

踊り場のイチロー



7月24日、イチローが移籍した。

移籍発表から数時間後の試合、いつもと同じセーフコフィールドにいながら、

胸には  NEW YORK

背中には   31


ものすごい違和感。

いまだに実感がわかない。




Trip to Seatle and Vancouver
Trip to Seatle and Vancouver / Akihito Fujii




僕がちゃんと野球を見始めたのは、多分、2000年くらいから。

2001年は、よくBSでイチローを見ていた。

それ以降も、休日の昼間は、よくマリナーズの試合を見ていた。


新人王、MVP、262安打、オールスターMVP、10年連続200安打……

この11年間のイチローは、それはもう、むちゃくちゃ格好良かった。


そして、マリナーズのユニフォームは異常なほどイチローに似合っていたし

広くて、きれいで、落ち着いた、セーフコフィールドもまた、イチローによく馴染む背景だった。




New York Yankees Flag
New York Yankees Flag / Kevin Coles




さて、そんなイチローも、もうヤンキースの選手になってしまったわけだが

これはかなり際どい決断だっただろう。


MLBは実績のあるベテランでも、期待以上の成績が残せなければ簡単にクビになってしまう。

特にアメリカ以外出身の外国人選手はその傾向が強い。

イチローも恐らく、現時点での来季の契約は白紙だろう。

しかし、イチローにとってそんなことは百も承知での決断だったに違いない。






MVP Ichiro!
MVP Ichiro! / jessicafm







近年のイチローの数字は下降していた。


このまま、地元の英雄として最下位球団マリナーズに残ること、

パフォーマンス重視で、身の保証はない常勝球団に移籍すること、

イチローが再び数字を取り戻すには、後者しかなかったんだと思う。

イチローは常に完璧を目指す人間だ。

それが野球選手であること、と本人も言っている。


イチローの父、”チチロー”がインタビューでこう答えていた。

「今は、一朗がプロに入った時と同じ気分」


今まさに、イチローが成熟期から、再び、成長期へ返り咲く時なんだと思う。




イチローの流儀 (新潮文庫)




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