7月24日、イチローが移籍した。
移籍発表から数時間後の試合、いつもと同じセーフコフィールドにいながら、
胸には NEW YORK
背中には 31
ものすごい違和感。
いまだに実感がわかない。

Trip to Seatle and Vancouver / Akihito Fujii
僕がちゃんと野球を見始めたのは、多分、2000年くらいから。
2001年は、よくBSでイチローを見ていた。
それ以降も、休日の昼間は、よくマリナーズの試合を見ていた。
新人王、MVP、262安打、オールスターMVP、10年連続200安打……
この11年間のイチローは、それはもう、むちゃくちゃ格好良かった。
そして、マリナーズのユニフォームは異常なほどイチローに似合っていたし
広くて、きれいで、落ち着いた、セーフコフィールドもまた、イチローによく馴染む背景だった。

New York Yankees Flag / Kevin Coles
さて、そんなイチローも、もうヤンキースの選手になってしまったわけだが
これはかなり際どい決断だっただろう。
MLBは実績のあるベテランでも、期待以上の成績が残せなければ簡単にクビになってしまう。
特にアメリカ以外出身の外国人選手はその傾向が強い。
イチローも恐らく、現時点での来季の契約は白紙だろう。
しかし、イチローにとってそんなことは百も承知での決断だったに違いない。

MVP Ichiro! / jessicafm
近年のイチローの数字は下降していた。
このまま、地元の英雄として最下位球団マリナーズに残ること、
パフォーマンス重視で、身の保証はない常勝球団に移籍すること、
イチローが再び数字を取り戻すには、後者しかなかったんだと思う。
イチローは常に完璧を目指す人間だ。
それが野球選手であること、と本人も言っている。
イチローの父、”チチロー”がインタビューでこう答えていた。
「今は、一朗がプロに入った時と同じ気分」
今まさに、イチローが成熟期から、再び、成長期へ返り咲く時なんだと思う。
